室町末期の創業と伝えられる、約480年の歴史を持つ老舗店。八坂神社の南楼門の参道沿いの東西に軒を構えた二軒の茶店のうち、東側にあった「柏屋」が前身。江戸時代に「中村屋」、明治時代に現在の名称である「中村楼」となった。
江戸末期は京都屈指の料理茶屋のひとつとなり、明治時代には格式高い料亭に発展。宮家、財界人、外国の要人、芸術家、文人墨客らが集ったという。
現在は、お宮参り、お食い初め、法事、お顔合わせといった行事から接待まで幅広く対応しており、誰をお連れしてもおもてなしの心を伝えられるはずだ。
懐石は月替りで、昼5,000円~、夜は10,000円~。京野菜など四季折々の素材を活かし、京料理の伝統をふまえた優美な料理の数々は圧巻。
名物は、江戸時代初期に売り出した田楽豆腐の「祇園豆腐」だ。当時は、店頭で披露した豆腐切りの早業が評判だったという。
時代とともに味は変わっているが、現在は「祇園豆腐」は木の芽を練り込んだ京風白味噌を乗せて焦げ目をつけて焼いたもの。香ばしい風味とともに木の芽のスパイシーさを楽しめる。
2014年、100年ぶりのリニューアルにより、土蔵を改装したカフェをオープン。おしゃれな空間で 抹茶パフェなどの甘味のほか、名物の「祇園豆腐」といった軽食をいただける。またカウンター8席のみの割烹「㐂(よし)」では、季節ごとの旬の京料理をあれこれと堪能できる。