京都の地、季節の巡り艶やかな祇園。1988年(昭和63年)に開店した料亭「祇園丸山」。祇園町の中に存在する数寄屋造りの店構えは、一歩踏み入れると、伝統と現在の融合が感じられる。心地よく凛とした空気は、日本ならではの感覚に重きをおく料亭丸山だからこそ醸し出せるものだろう。
店主は丸山 嘉桜(まるやま よしお)氏。「高台寺土井」で10年間奉公し、木屋町「菊乃井」で料理長を7年半、高台寺「和久傳」で料理長を5年間勤めた経歴をもつ。丸山氏は祇園でお店を出せたのは、自分を育ててくれた修行先のお店さんとの出会いがあったからこそ、と語る。
祇園丸山の京料理は、日本人の感覚を伝承し、懐かしい日本の情景を思い起こさせてれる。例えば、夏の七夕、祇園祭、大文字そしてお盆・・・その時期が訪れると、蛍や夕立が思い浮かぶように、それらを料理で表す。香と味によって、思い出の引き出しをあける要素を担っている。料理だけではない、風情を感じ、思い出とともにいただくこと。庭の緑、設えも考慮された光・音・温度・香り・味、訪れるひとり一人に、見えない5つのものを感じていただくことを大切にしている。
こだわりの設えは、数寄屋の生を感じられる内装。細部にまで手入れが行き届いた美しい和の空間が広がる。
かたつむりの掛け軸(熊谷守一(くまがいもりかつ)氏作)、上村松皇(うえむらしょうこう)の西瓜の掛け軸など日本人の感覚で伝わるものが、飾られている。こういった感性の部分を日本の人には勿論、海外の人にも伝えていきたいとの思いが込められている。
京都の文化に根付き、受け継がれたものを変わらないように、今なお都の味わいを継承し続けている「建仁寺祇園 丸山」。伝統を続けているからこそ生まれる新しい京料理をぜひこの場所でいただいてほしい。
writer Chie